はじめてのボードゲーム制作忘備録

自作ボードゲームを作りたい、という方は多いと思います。
自身の行動の忘備録として、わたしのボードゲームの制作順序と成功や失敗、各専門家への質問とその回答を記述していきます。

この忘備録は、2021年4月のゲームマーケットに向けた日記のようなものです。

0.わたしのスペック

ゲームの開発者ですが、プログラマーです。
とはいってもゲームデザイン・イラストやグラフィックデザインに関しては大したことは出来ません。

一応、ゲーム開発者のため以下の利点はあります。
・PCのスペックはかなり高め
・(デジタル)ゲーム制作に関しては専門家
・AdobeCS5 Web Premium 持ち(Photoshop,Illustrator入)

1.ゲームの企画

まずは、どんなゲームを作ろうか考えました。
私の場合は、以下コンセプトを落とし込んでいきました。
・ダイスを沢山振りたい!
・はじめてのボードゲームでも楽しく遊んでほしい
・目的を達成すると元気になるゲーム
・みんなで達成したことを喜びたい

いきなりボードゲームを作ろう、と思っても
真っさらなキャンバスから考えると何も思い浮かばない方もいらっしゃると思います。

お金の面から考えれば、萬印堂の小ロット応援パックのコンポーネント内で出来ることから考えると後々安く仕上げることが出来るでしょう。
https://www.mnd.co.jp/pricelists/printing-package/

2.ダイスの発注

いきなり私は10面ダイスを400個注文をしました。はい、アホですね。
購入したのは海外のサイトだったため最終的に、ダイスが届けられるまでトータルで4ヶ月ほどかかりました。

その間、企画は忘れコンセプトはメモだけで何も考えていませんでした(笑)

発注するのは、ゲームバランスがとれてからにしましょう。不良在庫を抱えます。

3.ゲームの仕様

さて、10面ダイスが届けられたので、ダイスを沢山振りながらゲームの仕様を考えます。
ダイス沢山振るってやっぱりなんかいいですね。何度やっても飽きません。
ダイスを振りながらゲームの仕様を考えます。

100円ショップのメモカード200枚とか、そういうのを使って手書きでカード作ります。

4.その仕様のゲームを遊ぶ

人を集めるのは大変なので、まずは一人でいろいろな人を想定しながら遊びます。
ある程度バランスがとれたと思ったら、実際に複数人でそのゲームをやってみます。
私は個人でやっていたので問題ありませんが、グループで作っていた場合はそのグループ外の人(本音を話す人)とやりましょう。
自分たちで作ったゲーム補正が働き、つまらなくても面白いと思ってしまうことをなくすためです。

遊ぶ際の説明はそのまま説明書にもなりますので、どういうゲームかの説明メモは残しておきます。
いいゲームだ、とか面白いとか言われるとテンション上がりますね。
それ以外に、ここはどうしたらいいの?とかこういう風には出来ないの?とか
自分では気づけない点が出てくるのでメモして、更にゲームの説明メモを精錬させていきましょう。

ゲームバランスに関しては、プログラムを組み、総当りでのカード使用をアルゴリズム化し、プレイを何度もさせました。
ある程度の確率は求まるのですが、実際にプレイした際の感覚も重要なため、あくまで指標値として利用します。

また、アルゴリズムを作ったことで、予期せぬ出来事が起こりました。
自身が不可能だと思った出目とカードの組み合わせで、クリアできるとの結果が出たのです。
自身が作ったゲームの奥深さに驚きを感じつつ、そこを面白いと思っていただけるのであればこのゲームは成功といえるでしょう。

組み合わせの順序を考えることも難しすぎる部分があり、深読みが苦手な人、普通な人、得意な人それぞれ用に難易度を3種用意しました。

5.仕様が固まる

これ以上があるかもしれない?
となってしまうといつまでたっても世に出せません。
この仕様でいこう、となったら次はデザインに取り掛かります。

デザインで気にした点は、以下の点です。
・所有欲を満たせるクォリティ
・ゲームコンセプトが分かりやすい絵
・ベクターデザインだと埋もれるのでできるだけ違うようにしたい
・最低でも50個は売り切りたい

6.デザインを考える

私の場合は、ここで初めてお金に関して考え始めました。遅すぎますね。
以下のデザインをしないといけません。
・箱・蓋デザイン
・箱・身デザイン
・説明書デザイン(B5サイズ2枚)
・カードデザイン1・表
・カードデザイン1・裏
・カードデザイン2・表裏(一緒)
・カードの入手条件アイコン8種
・カードの効果8種
・カードに入れるイラスト8点

多い…

7.印刷の相場を考える

印刷屋さんは萬印堂様に見積もりをお願いしました。

小ロット応援パックでは、2万円と破格の価格でお願い出来ます。

8.デザインの相場を考える

カードは多くて17枚、ダイスは8個、で自身のゲームは表現できます。
これで、初ロット1500円での販売を目指します。
(ボードゲーム制作初めての作品で買ってもらえそうな額)

相場といわれるイラスト5万円を、箱・蓋、カードイラスト8点依頼するだけで45万円かかります
はじめてのボードゲームの場合は、50個売るのでも難しいので、小ロットの50個で割ると1個9000円、
更に印刷代、ダイス含めると1万円以上でないと作るだけ赤字ということが判明します。

巷で探すと出てくる、メインアートワークで10万で請け負ってくれる人は全部やってくれるのか?
これらを10万でって凄いなぁ。

では、安いデザイナーさんにお願いすればいいか?となると、解決法が違う気がするので
お願いすべき箇所はお願いし、商用利用可能な素材との組み合わせで解決を図ります。

買っていただく場合に一番目にされるのは、箱・蓋のデザインです。
これはイラストレーターさんにお願いしたい箇所です。
また、そのイラストレーターさんに1枚、重要なカードは任せたいと思いました。

これで、印刷約7万+イラスト10万=17万、50個で割ると3400円。
これは50個だと1500円は無理です。75000円しか稼げない。

9.その他経費を考える

印刷物を揃えるためのPC、Photoshop/Illustrator、イラストレータさんへの支払い、印刷会社への支払い以外に以下もかかります。

・広告費
twitter : 無料
ボドゲカフェへの寄贈と宣伝依頼 : 販売数を1個減らす(\1500)
その他広告費 (???)

・チラシ・ポスター
プリントネット チラシA4 100部 660円
ペーパーリーフスタンド(チラシ入れ) 100円
ポスタースタンド 9980円
チラシスタンド x2 1480円

・名刺
個人事業主としてすでにあるため再利用

・ルール説明動画作成
自作ボードゲーム制作者の方々と一緒に遊んだ際に収録したい
動画をDLしたiPad(すでに所持済み)を持っていきただ流す

・POP
厚紙
ペーパースタンド

・パッキング費

・ゲームマーケット 一般出展
1日:\17600
2日:\33000

・移動費/運搬費
さいたまから東京まで

1日の販売で3万くらいは出費を考えないといけない。

9.赤字を考える

さて、赤字です。
ぶっちゃけいろいろなことにお金がかかるたびにここに戻ってきます。
ここで出来ることは、商売の基本、以下の2点です。

・出費を抑える
・収入を増やす

出費は思いも寄らない形で多くなりました。
13.のタイミングで判明しますが、小ロット応援パックではダイスを入れるには箱サイズが小さく、大きくすると印刷代は66550円(税込み)かかります。
しかし、箱とは別にダイスは保管してください、では買っていただいた方に面倒に思われます。
イラストレーターさんも、印刷会社さんも生活がかかっているので、こちらから価格交渉で安く請け負ってもらうことはしたくありません。
これ以上出費を抑えるのは却下で。
収入を増やす方法を考えます。

まず、価格を2000円にすることで、赤字は少し抑えられます。
2000×50=10万で、10万の赤字が7万の赤字になるわけです。
しかし、名の売れたゲームなら2000円払ってもらえるでしょうけど
初めてのボードゲーム制作者に1500円以上払ってもらえるでしょうか。

次に考えられるのは、制作数を100個にすると、約10万円で印刷可能です。
1500円×100個で15万円となるため、1500円は妥当な線です。
しかし、売れなかったらそれがそのまま赤字になります。
何回かに分けて販売すればすべて売れるかもしれません。

というわけで、苦肉の結論を出しました。
・初回限定価格1500円、以降2000円
・初回制作数50個

はい、全部売っても75000円の赤字、総合でかかる費用を含めると10万を超える赤字で出します。
赤字覚悟で出さないと出せないのであれば、二の足を踏む方が多いでしょう。

もし、評判が良く、次ロットで100個ほどの発注が来れば赤字を0にするくらいは出来ると思います。
どれだけこのゲームでユーザさんが楽しんでくれるかが肝になるため、販売数が50個でも引き締まる思いです。

また、販売物を増やすことも考えます。
少ない額かもしれませんが、以下のようなことは出来ます。
・今回のボードゲームの赤字補てんの寄付を募る(おまけでゲームにかけた思いなどをpdfでお送りするなど)
・今回のボードゲームを作った際のソースコードを販売する
・今回のボードゲームを作った際の困ったことややっておけばよかったことなどをpdfにまとめて売る
これらはやっておいて損はなさそうなので、良さそうです。

10.商用利用可能素材を探す

まず、アイコン郡はicooon-mono様から必要なものをDLします。

イラストは、ベクタ画像系なデザインなら自身で描けそうですが、私のイメージは油絵でした。
そのため、artvee様より、商用利用可能な絵画を探してDLします。膨大にあるので、探すのがとても大変です。

その他、デザインはイラストレーターで頑張って描きます。
イラストレーターを使ったことが無い私も、頑張ればなんとか出来ました。(数ヶ月はかかります)

11.イラストレーターさんを探す

これが苦労しました。
まずはpixivなどでイラストレーターさん探しです。
しかし、膨大な数のイラストレーターさんからどう探せばいいのか、探してる最中に手が止まってしまいました。
次に、できれば、全てのデザインをお願いしたいため見積もり含めココナラでお願いしましたが、折り合いがつきません。
やはりデザインする量の問題で、高くついてしまいます。

というわけで、twitterやWebサイトでボードゲームに興味のあるイラストレーターさんを探しました。
このイラストだ!という方を運良く見つけ、pixivのメールアドレスに直接メールする形でご相談しました。
また、価格面も考慮して、メインビジュアルとカード1枚のデザインのみをお願いする形にしました。

12.イラストの納期

お願いするにあたり、イラストの納期を決めないといけません。
私の場合は、イラスト依頼を8月に行ったため2020年秋のゲームマーケットは目指せません。
2021年春のゲームマーケットを目指すことにし、逆算すると1月に全データがある状態が望ましいことが分かりました。

期日・予算・イメージ・使い方・著作権の在り処など細かな内容を詰め、メールにてご相談しました。
イラストを快く承諾していただき、相場よりも控えめなお値段にしていただきました。とても有り難いです(涙)

メインイラスト、カードイラストはお願い出来たので、次は細かい仕様について印刷所に聞きに行きます。

13.萬印堂様へ訪問相談

聞きたいこと、印刷物を実際に見たいなどいくつかあったため、萬印堂様の無料相談会を予約しました。
本当、無料でやっていただけるとはありがたいです。

まず、ダイスは揃っているので、説明書、箱、カードが費用となります。
ダイスも含めて作品のため小ロット応援パックは断念し、ダイスも含めた形での箱で見積もっていただきました。
税込み66550円でした。

また、サンプルカードと箱をいただきました。

いくつか皆で共有できる情報があるため、ここに記述しておきます。

Q.ボードゲームの相談をしにくる人間の割合はどのくらいでしょうか

新規で作りたいという方が5〜8割
(というわけで新規の方の相談はお手のもの、という感じでした!)

Q.提出時のCMYKのカラープロファイルはどれにしたほうがいいですか

印刷物にあまり変わりはないので、デフォルトで構わないと思います。
japan color 2001 coatedでも好きなものにしていただければ。

Q.新規参入者の制作数はいかほどのものでしょうか

大体50セットか100セットですね。

国内で少数制作を作ってくれる会社は少ないです。
(手作業が多くなるため)
500とか作ると全自動とか考えられます。

Q.カードの特徴とか教えてください

基本的にはニス加工です。(サンプルカードいただきました)
カードの厚さを選択することが可能(ノーマル・厚・極厚)
→厚みを変えると価格も変わります
→ノーマル選択者が8割です
・PP加工だと水性ペンで書いた文字を消せるから書いて消す、のようなゲームの用途として使う人達もいらっしゃいます。

■ポーカーサイズとブリッジサイズとはなんでしょう?
・ブリッジサイズがいわゆるトランプみたいなものです。
・それだと縦長すぎてデザインしずらいのでポーカーサイズがあります

Q.説明書のB5変形AとB5変形Bの違いって何ですか

・B5変形Aがポーカーサイズ用
・B5変形Bがブリッジサイズ用
折りたたむと箱にピッタリ合うように調整してます

Q.箱の注意点はありますか?

・まず、うちの箱はPP加工してます
・箱のデザインに関してはよく問題になるので、箱デザインに関しての失敗例は後述します

Q.相談会でしか聞けない話とかありますか?

色々とパーツ販売してるからパーツ欲しい場合は相談してください。
在庫のものは安く売ってるけど、特殊なものも作れます。
6面固定ですが特殊ダイス作れます。数値じゃないダイスなど必要なら仰ってください。

Q.ボードゲーム以外の印刷はしてるんですか?

うちは、ボードゲーム専用印刷会社なんです。

箱デザインに関しての失敗例

・箱は手作業で組み立てるので、塗り足しをしておかないと白い部分出ます

・箱のサイドを枠的なデザインする人がいますが、手作業なので、サイドのラインがずれることあります。
 このデザインの場合は許容してください。

14.デザインの完成

・箱・蓋デザイン

・箱・身デザイン

・説明書デザイン(B5サイズ2枚)

・カードデザイン1・表

・カードデザイン1・裏

・カードデザイン2・表裏(一緒)

・カードの入手条件アイコン8種

・カードの効果8種

・カードに入れるイラスト8点

15.広告を出す

ゲームマーケットにここ最近参加された方であればお分かりになると思いますが、
参入企業や同人開発者などは500を超え、何も広告しない場合、誰にも見向きもされない可能性があります。

ゲームを作ったとしても、広告を出さなければいきなりゲームマーケットで出しても埋もれるだけでしょう。

広告に関しては、出す場所と時期が重要になります。

現在検討中


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